側面を補強するのに用います。第一層に入る前に、まづ4倍以上に薄めたいしちゃんを塗って乾燥させます。
次に2-4倍希釈程度の石ちゃんを塗布し、乾かぬ間にさらしを一層まわします。
次いで晒しがひたひたになるよう上から石ちゃんを含ませた刷毛で押さえながら空泡も追い出しておきます。
乾燥を待ち、必要に応じ二層目以降に進みます。
しかし、ほとんどの場合は、石ちゃんのみの養生で功を奏すと思います。
薄めたいしちゃんは、側面の層の上がりにそってよく浸透して、乾燥時にとても縮みますから強烈に引っ張るのです。
かつ、砥石の名品は鋸での切断面に頁岩特有の1000年に1-2mmといわれる積層模様が確認でき、これが研ぎ面と平行をなして、裏の茶色い肌や鏨で打ち割った平面のなす見付がその石自体の品位と、属する鉱床との関連付けを可能としており、砥石の銘板にあたりますから、よほどのことがない限り、側面と裏の着色は避けたいところです。