最大寸法[max size] 75*210*36mm
重さ[net weight]1,364 g
硬粒研滑[HGAL]=5++/3++++/3++++/3++++
天然砥石 正本山 山城銘砥 灰紫ダマスカス究極型上++++ 1958.
この色!妙におかしいのです。見れば見るほどに妙な色です。東奥殿の戸前のような単純な色ではなく、どこかしら紫がかります。更に水を打てば妙なもようが出てきて色味もまた変わります。・確かに硬いのですが、刃あたりは妙にしっとりしており、強烈な研磨力のものと鉄の華が水面上に浮きだって滑走しながらすぐさま酸化色を呈し褐色に変貌します。・無論、煙硝じみたものでも酸化作用ではなくて、生地の細やかさと研削能力のみでなしえるものであり、刃を当てた感触や鉄華が水面上で踊る様が脳裏から離れません。・それなりに覚悟していただかなくてはなりません。
黒は鉄の華。他の色は石自体が磨耗した砥泥。鉄華即錆のものは煙硝等、酸化的雰囲気の石であるか、生地が特に精細であるもの。English
京都産仕上砥石は粘板岩にも頁岩/けつがん/にも属し、素養を崩すような熱変成までは受けないため、側面の積層具合が品位そのものを示します。「頁」とはページと読まれ、帳面のページそのものを指す漢字であり、勿論帳面成りの姿とその展開方向への顕著なへき開性有する石を指します。積層の姿は我々に語りかけます。「さゞれ石が幾重もの頁として紡ぎ上げる為に要した時間や属する鉱脈を特定すべく不偏の理。」であると。我々は、曇りなき眼で2億年以上紡ぎあげてきた自然界の業を確認するべきであり、それは難しいことではないはずです。産地を偽ることができても、側面までは偽ることができないのです。English
正本山の皮なし・鏨開けはだが確認できないものは、半値以下の価値です。目の通りに作成出来ないほどの品位であるからです。肌が一平面上に展開していてこれと平行に研ぎ面が展開していなくてはいけません。研ぎ面は、同じ一刹那の時代に出来上がった面で研ぐというのが、当然であるからです。